こんにちは、森 方向音痴です。よろしくお願いします。
私は普段ほとんど家から出ませんが、ゲーム内では日本中のみならず、惑星間さえ飛び回って冒険することがあります。
自宅にいながら、東京都四軒茶屋で学生生活を送った後、おなじく東京神室町や大阪蒼天堀で極道として夜の街を歩いたり、近未来アメリカのナイトシティで生存をかけた戦いに身を投じたり。
さらにはハイラルや狭間の地、タムリエル大陸スカイリムのような異世界や、故郷である木の炉辺を飛び出して太陽系の隅々まで探索する。
そういった体験はゲームならではのものであると言えます。
言わざるを得ません。
そこで今回は、ゲームの世界の探索をより楽しむための方法をご紹介します。
それが、HUD縛りプレイです。
HUD縛りとは
その名の通り、ゲーム画面のHUDの表示を制限する遊び方です。
HUDはゲーム画面に表示される、体力やスタミナなどのステータスや、ミニマップ等の情報のこと。
なぜHUDの制限が探索を楽しくさせるのかを説明させていただきます。
それは、クエストクリアのためにゲーム内の風景や環境を注意深く観察することを必要とするからです。
なっがいながい例え話(全部読まなくてOK)
みなさんは、こんな経験をしたことはないでしょうか。
RPGなどをプレイ中、メインクエストの目的地を目指していたところ、途中で立ち寄った町や集落、または道端で困った様子の人がなにやらブツブツとひとり言を漏らしております。
その様子を見かねたあなたは彼女、または彼のもとへ行き、なぜ困っているのかを問いますと、なんやかんやで助けが必要であり、あなたに解決の手伝いをしてほしいと要求されます。
ここで出会ったのも何かの縁と、あなたはその依頼、サイドクエスト、サブクエスト、サブミッション、関節技……呼び方は何でもよいのですがとにかく頼みを聞き入れ、具体的に何をすればよいのか尋ねます。
そして依頼人の、○○へ行って△△をとってきてほしい、○○への行き方はああでこうで……と一通り説明を聞き終えた後、あなたは実際に○○へ行って△△を入手し、依頼人にそれを届けて報酬を受け取る……。
と、このようなことは、ゲームを、特にRPGをよくプレイする方ならほとんどの方が経験されているかと思います。
ですが、よく思い出してみて頂きたいのが、その時のゲーム画面とあなたの目線です。
サイドクエストがあることを示すマーカーや、ミニマップ上にあなたを目的地まで案内するラインが惹かれていたのではないでしょうか。そしてあなたはそれを頼りに町へ立ち寄り、依頼をこなしたのではないでしょうか。
なんなら依頼人の悩みの原因と、具体的な依頼内容、さらにはそこへ行くための方法や目印も決定ボタン連打で飛ばし飛ばしに聞いて(読んで)いる人もいらっしゃるかもしれません。
しかしそれでも無事に依頼達成できるのは、何をすればいいかが書かれたクエストログと目的地の場所が一目でわかるミニマップがあるからです。
私はそれをダメだというつもりはありませんが、もったいないことだとは考えます。
高解像度で描かれた美しい風景や街並みが魅力であり、街や集落に存在する人間一人ひとりによく考えられた背景や物語が与えられているゲームがあったとして、実際のプレイ中にプレイヤーが多くの時間、注意を向けているのがミニマップだったら。
すごくもったいないと感じないでしょうか。
感じざるを得ません。
この遊び方に最適なゲーム
この遊び方が適しているのは、コンパクトな世界ながら細部まで丁寧に作られている
龍が如くの神室町のようなフィールドであると考えています。
私は、せっかく緻密に作りこまれたフィールドを探索するなら
多少の便利さを手放してでも、主人公と同じ目線でそこに存在する景色を楽しめたほうが得だなと思っています。
ですが、もちろんすべてのゲームでミニマップやクエストマーカー無しでも問題なくプレイできるわけではありません。
広大なフィールドが特徴のゲームなら、目印となるオブジェクトや建物が少なかったり、名前の付いた道が限られたりして、マップ無しでは歩きづらい可能性もあります。
その場合は目的地のある方角を事前に確認したり、クエストマーカーを除いたコンパスのみを表示したりして工夫をすれば、ミニマップなしでも遊びやすくなると思います。
ぜひみなさまもお持ちのゲームソフトで試してみてください!
それでは。
実際にやってみた
それでは、とは言ったものの皆様に楽しさが伝わっているか
そして実際に遊べるのかどうか気になってまいりました。
そこで、現在私が所持しておりプレイ可能なゲームの中から一つ選んで、HUD縛りプレイを実践してみました。
ここからネタバレに注意してください。
この記事では、物語の核心となる部分のネタバレは含みませんが、ごく一部のサイドクエストや、その他ゲームに含まれる要素を取り上げて紹介します。
また取り扱うテーマ上、ゲーム内の街並みや環境への言及とスクリーンショットが含まれますので、一切のネタバレを禁じている方はこの先の閲覧にはご注意ください。
それでは参りましょう。
龍が如く極 Steam版
せっかくなので先ほど例に挙げた龍が如くシリーズから『龍が如く極』(英語名:Yakuza Kiwami)で実践してみます。
自分でこの遊び方が適しているといった手前、「ミニマップ無しでは遊びづらかったです」という結果に終わることは何としても避けたいところです。
寒さと緊張で震える(11月に執筆)手を何とか制御しながらゲームを進め、街中を自由に行動できるようになるところまで来ました。
この時点でのメインクエストは、セレナというお店に行くことで、画面上のミニマップにはセレナのある方向を示す矢印が表示されています。
ところでプレイ中に気が付いたのですが、龍が如く極は戦闘中を除いて
HUDの情報量が非常に少なく、とても街並みを見やすい画面でした。
そしてミニマップを非表示にするとただでさえ少ない情報量がさらに減って、一気にゲームへの没入感が高まります。
もう私の目に映るのは、眠らない街、東京神室町の景色と桐生さんの背中しかありません。ゲーム的な情報はほとんどなし。
それではセレナを探して神室町を歩き回ってみます。
とはいえ私は龍が如く0から龍が如く5Remasteredまでプレイしている神室町の常連なので
ここはあえて少し遠回り、寄り道をしながらセレナを目指してみようかと思います。
夜の神室町を散策していると様々なものを発見することができます。
飲食店、コンビニエンスストア、因縁をつけてくるチンピラ、カツアゲをされている人、鍵……など枚挙にいとまがありません。
ミニマップを封じていると、特に飲食店に、より注意が向くような気がします。私の中での桐生さん(主人公)は、はらぺこごくどうなのかもしれません。
当然ゲーム内の建物やお店すべてに入ることはできませんが、逆に利用できるお店を見つけた時にいつも以上の喜びを感じられるかもしれません。
また、どのお店が利用できるものなのかを自分の足で調査することで、普段ミニマップを表示してプレイしているときは気にも留めないような、お店の看板や装飾を楽しむことができます。
そしてゲームをプレイ中の私は、夜の神室町には珍しい、二人組の子供を見つけました。
不思議に思って近づいてみるとふきだしマークが彼らの頭上に現れたので、会話を聞いてみることにします。
すると何やらポケサーというおもちゃのレース場がある場所を見つけたので一緒に行こうと二人で話し合っているようで、親切にプレイヤーにもわかるようにどこにあるかを明確にしてくれました。
彼ら曰く、そのレース場は七福通りの西にあるそうですので、ちょっと探しに行ってみましょう。
まずは手掛かりとなる七福通りを探して歩きます。
すると彼らがいた劇場前通りのすぐ近くに七福通りを発見しました。
ほんでから西を目指して歩きます。
余談ですが、私はよく西と東を間違えます。なぜなら西は右に、東は左に語感が似ているからです。
どうですか。いいです。
七福通りをどこまでも西へ。西へ。
龍が如く極ではプレイヤーが現在どの道を歩いているかを画面上に表示してくれる親切な仕様が実装されており
大通りのようにわかりやすい道しるべがなくても、現在地を把握しやすくなっています。
そしてたどり着いた七福通り西、この近くにあるようなので目を凝らして探してみましょう。
幸い龍が如く極は、看板やのぼりまで丁寧に作られているので、建物の入り口で決定ボタンを連打しながら歩く総当たり手段はとらずに済みそうです。
きょろきょろとあたりを見まわしながら、通りをさらに西にまっすぐと歩いていると、案外あっさりと目的のポケサーレース場を見つけることができました。
なるほど、ここがポケットサーキットね。今ので覚えた。
ポケットサーキットの建物の前にはこの場所がなんであるかを説明する表示物(使い方が間違っていたら直す)が合計5つも存在しており、子供たちも迷いなくたどり着くことができそうです
看板やのぼりの数が多く、大げさに建物のアイデンティティを示す工夫は、ゲームのプレイヤーである我々だけでなく、ゲームの世界の登場人物たちにとっても、便利であると言えますね。
さて、ポケットサーキットの所在地がわかったところで、本来の目的地であるセレナを目指しましょう。
先ほどの子供たちがいた劇場前通りを南下して比較的大きな通りが見えてきました。
そこで道端にふきだしマークを被った女性が立っていたので話しかけてみると、どうやら彼女もセレナを探している様子でした。
セレナを知っているかどうか尋ねられたので、ここは知っているということにして会話を進めます。
すると、お店がどこにあるかわかるか、とさらに質問されました。
主人公である桐生さんにとってセレナは昔なじみの店なので、彼女にセレナについて教えてあげることにしましょう。
ここで会話の選択肢から、天下一通りの雑居ビルの2階というキーワードが出てきたので、それをヒントにセレナを探すことにします。
まずは天下一通りを探すことにしましょうね。
天下一通りは、先ほど歩いた七福通りに比べて大きな通りで、神室町のメインストリートの一つです。
そのため、大きく天下一通りと書かれた看板を発見することができました。
これでセレナのある通りがわかったので、次は建物を探しましょう。雑居ビルの2階です。
先ほどのポケットサーキットの例から推測して、セレナも看板を探せば見つかるはずです。
時々立ち止まってタバコを吸いながらあたりの看板を順番に見ていくと。
見つかりましたセレナの看板。それも4つ。
無事到着。これでメインクエストを進めることができます。
と、このように(私が神室町をある程度知っているとはいえ)
ミニマップを使わなくても看板や会話から得られる情報だけで、目的地にたどり着くことができました。
龍が如く極はHUD縛りプレイに適したゲームと言えますね。
この遊び方を許容してくれるゲームとその製作者様方に、感謝します。
ちなみに龍が如く極では、マップにサイドクエストのマークは存在せず、自分で神室町を歩き回って探すようでした。
ゲームのアシストを最小限にとどめることで、自分の足で神室町を散策することを制作側が誘導しているのでしょうか。
今回紹介したのは神室町のごく一部のみですので、皆様もぜひご自分で探索してみてくださいね。
参考文献紹介
ここで記事の執筆にあたり大いに参考にした、「Game Maker’s Toolkit」様の動画を紹介します。
Following the Little Dotted Line
この動画は、Witcher3をプレイ中、ミニマップやクエストナビゲーターが原因で、せっかく作った壮大なオープンワールドを十分に活かせていない、という同氏自身のゲーム体験から、オープンワールドジャンルの探索においての問題を提起する内容です。
とはいえ堅苦しいものではなく、そればかりか様々なゲームのプレイ画面や聴き心地よい語りによって非常に親しみやすいものであると言えます。
私はこの動画で、本記事の肝となる、ミニマップおよびHUDを制限する遊び方を知りました。
それがなければこの記事は存在しなかったといっても過言ではありません。
動画は英語音声のみですが、日本語字幕を設定可能です。
Deus Ex: Mankind Divided’s Amazing Open World
続いての動画は、オープンワールドはただ広ければ良いのかという疑問に対し、Deus Ex:Mankind Dividedというゲームを取り上げて答えを導く、という内容です。
取り上げられているDeus Exの舞台は、ほかのオープンワールド作品と比べて非常にコンパクトな街である代わりに、街の細部まで丁寧に作りこまれているそうで、ミニマップなどの補助機能なしでもプレイ可能なゲームであるともされています。
動画の5:33から実際にゲーム内の情報だけで目的地にたどり着く過程を見ることができます。
開始時間をそのあたりに設定していますので、ぜひご覧ください。
以上で紹介を終わります。ありがとうございます。
終わりに
いかがでしたか。私はとても楽しんだ。
この遊び方は、ゲームの世界にもっと没頭したい方や、時間をかけてゲームを楽しみたい方におすすめです。
短時間でスムーズに遊びやすくするための機能を制限しているので、当然クリアまでに時間がかかりますので
じっくりと堪能したいと思えるゲームが見つかった時に、ぜひお試しください。
また、すでにクリアしたゲームを改めてプレイするときにもおすすめです。
ある程度土地勘がある状態でフィールドを歩けば、迷子になることなく景色を楽しむことができますからね。
すべてのゲームがHUDを制限する遊び方に対応しているわけではありませんが、工夫次第で似たような楽しみ方ができることと思います。
よろしければ皆さんのやってみた感想や、自分流の遊び方を教えてくださいね。
それでは。
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