オープンワールドとストーリーのずれ【考察】

考察

こんにちは、クローズドワールドです。

今回もオープンワールドについて考えます、私こんなにオープンワールド好きでしたっけ。

ストーリーのずれ

私はオープンワールドのゲームをプレイしていて、オープンワールドのシステムとメインクエストの一本道ストーリーは相性が良くないんじゃないかと思うことがよくあります。

Hogwarts Legacy(2023)

特にストーリー上で息子を誘拐した犯人を捜す必要がある時や、古代魔術を悪用しようとたくらむ脅威が迫っている時などです。

犯人捜しの間によそへ遊びに行ったり好奇心に任せて冒険に行くのは、ストーリーと遊びの部分がうまくかみ合ってないような気がしてなりません。


(1:48からの部分。英語音声だが日本語字幕を設定可能。)

Youtubeチャンネル『Game Maker’s Tool Kit』制作の『ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド』についての動画では、一本道ストーリーはプレイヤーにメインクエストを追うか後に回すかの選択しか与えず物語のずれを生んでしまうとしています。

ずれを感じなかった例

では、どのようにしてその問題を解決できるでしょうか。
私にもわかりませんので、いったんストーリーと遊びのずれをほとんど感じなかった作品を挙げてみます。

『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』(最終決戦への準備)

ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド(2017)

ブレスオブザワイルドの何が良かったかと申しますと、メインクエストの目的がずっと変わらないところです。

本作の目的は「ガノンを倒すこと」だけ。
ガノンがいるハイラル城へはプレイヤーが望むならいつでも行くことができます。

ですが、ハイラル城周辺は強力な敵が何体も配置されているので、ゲーム開始直後に挑んで易々と攻略できるものではありません。

そこでプレイヤーと主人公リンクはガノンに討ち勝つための力をつけるため広いフィールドを探索する
というのが本作のオープンワールドへの導入です。

本作においての探索はメインクエストを後回しにして遊んでいるということではなく、ガノンを倒すために必要な手段であるというように感じられます。

ブレスオブザワイルドではハイラル城での最終決戦にいつでも挑戦可能ですが周辺の敵が強力であることが、探索要素に決戦のための訓練や準備というストーリー上の役割を持たせたのだと考えます。

『Outer Wilds』(探索のみでストーリーが語られる)

Outer Wilds (2019)

宇宙探索ミステリーアドベンチャーである『Outer Wilds』にはメインクエストは全く存在しません

プレイヤーはNomaiと呼ばれる宇宙にかつて存在した古代種族が使う言語の翻訳ツールを持った初めてのパイロットです。

翻訳ツールを共同制作したHalや管制官のHornfelsはNomai語の翻訳を期待していますが、ゲームシステムで強制されることは一切ありません。

本作はプレイヤーの好奇心だけでゲームが進行します。
我々と暮らすものとは違う太陽系の惑星の探索や、そこで見つかるNomaiの言葉を集めて彼らが何者なのかを知るのが『Outer Wilds』の遊びとストーリーです。

私は『Outer Wilds』こそが、オープンワールドの最も洗練されたデザインであると思っています。
未知の環境を探索する楽しさと、謎に満ちた情報の断片をつなぎ合わせていくストーリーの語られ方はプレイヤーの好奇心を大いに刺激するもので、非常に満足感の高いものでした。

『ELDEN RING』(ストーリーを説明しすぎない)

画像はELDEN RING公式ウェブサイトより

『ELDEN RING』の(私にとっては)難解なストーリーは遊びとのずれを意識せずに済むものでした。

本作はストーリーや世界の説明をあえて控えめにすることで、ストーリーに高い関心を持つプレイヤー以外は、なんとなくの理解で遊ぶことができたのではないかと考えています。

そもそも完璧に理解するのが難しいストーリーはプレイヤーの遊びを邪魔せず、抽象的ですがちょうどいい感じでストーリーを忘れて探索することを許してくれたように感じます。

また、本作は『ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド』や『Outer Wilds』のような、強敵との戦闘の準備や、謎に満ちた世界の情報を集めるといった精神性も感じることができました。
ボス戦が高難度であったり、フレーバーテキストが充実していることがそれにあたります。

結論

Hogwarts Legacy(2023)

私はオープンワールドとストーリーテリングの相性はあまり良くないと考えます。

ストーリーを語るのであればメインクエストの度にムービーを再生する方法ではなく、プレイヤーが自ら集める方法が良いのでないかと思います。

オープンワールドを探索する動機にもなりますし、探索の遊びとも結びついていますのでストーリーの進行を遅らせるということもありません。

今回挙げた3作品は、どれも探索によって世界に関する情報を集めることができるものです。
『ブレスオブザワイルド』は失われたリンクの記憶を、『Outer Wilds』はNomaiの残した言葉を、『ELDEN RING』はアイテムのフレーバーテキストからそれが誰にどのように使われていたかなどを知ることができます。

その場合プレイヤーが受動的に知ることができるストーリーに関する情報が少なくなってしまいますので、どうしてもプレイヤーごとにストーリーに対する満足度は変わってしまいますが……

ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド(2017)

強制的なストーリーテリングを控えめにするのであれば、遊びの部分を充実させてバランスをとる必要がありますね。

どうしても映画的なストーリーが必要なら、オープンワールドにこだわる必要はないのではないかと考えています。

最近は少なくなってきたように思われる、いわゆる一本道ゲームは上手く利用すれば濃密な物語体験を生むと予想していますが、これについては知識が足りないのでまた今度考えます。

しまいに

お疲れ様です。

オープンワールドのゲーム本当にたくさんありますね。最近。
今はもう逆に、オープンワールドじゃないゲームが流行ったりしてるんでしょうか。

これからのゲーム業界の流行がどうなるか楽しみにしています。
VRとかめっちゃ流行らんかな。

といったところで今回はここまで。
ご覧いただきありがとうございます。

愛をこめて。

スロートラベルより。

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