【スト6】『ワールドツアー』をレビュー

レビュー

ストーリーについて(不満点)

ここからはストーリーについての不満点を述べていきます。

直接ストーリーの内容には言及しませんが、特に終盤に関する部分は性質上、どうしても雰囲気バレを含みますのでご注意ください。

主人公(自分)が旅をする目的が曖昧

旅の出発点が『強さって何だろう』と、ふと思ってルーク教官の基礎トレーニングコースへ入門するところなのですが、結局終盤まで主人公の強さを求める理由や旅の目的がはっきり定まらないのが少し気になりました。

この点は、ゲーム側が何度もアバター(プレイヤー)に対して「自分の求める強さとは何か」を問いかけてくるので、プレイヤー自身が強さとは何かを考えることが重要だったのではないかと捉えることができますが……

自分の中で答えが出たからとて、それをゲーム内に反映させることができないのが歯がゆい感じでしたね。

例えば、プレイヤーの答えが『罪なき人を守るための強さ』でも『世界を暴力で支配するための強さ』でも、ストーリーやゲーム内でのアバターの振る舞いは変わらないわけですね。

ボシュに依存気味のストーリー

主人公の目的が曖昧な一方、ストーリー上で重要な役割を担うボシュというキャラクターは明確な目的があって強さを求めています。

ルーク教官の元でともに訓練する彼はどこか強さを焦っている様子で、彼と別れた後、主人公はルーク教官からボシュのことを気にかけてやってくれと頼まれます。

そこからは主人公は、ある目的に向かって危ない道を行くボシュのことを終盤まで追いかけ続けるわけですが、基本的にはボシュ始動で話が動くので、物語の主人公はプレイヤーではなくボシュのような気がしてきます。

自分のアバターが主人公になりきれないのとストーリーの展開を併せて、フィクションにしてはシビアだ……という印象でした。

ストーリーに関わるキャラクターの掘り下げが少なめ

本作のストーリーには、対戦モードでプレイアブル化されていない、(現状)ストーリー限定キャラクターが登場します。
ボシュとかリーフェンとかのことですね。

そのほかに舞台であるメトロシティのギャングの1つ『マッドギア』のボスであるダムドや、謎の人物ルドラなどが登場しますが、全体的に彼らの人柄の掘り下げが少なめだった印象を受けました。

もちろん彼らの代わりにレジェンドファイターたちの掘り下げは十分に行われていましたし、その点には非常に満足しています。

もしかしたらゲームの開発コスト的な理由でやむなくカットされたのかもしれませんね。

個人的には、彼らストーリー組の人柄を深く知る前にストーリーがエンディングを迎えたのを寂しく感じています。

レジェンドファイターたちのストーリーへの関りが薄め

ワールドツアーモード内には現在プレイアブルな18キャラクター全員が登場し、有料追加コンテンツである『Year1 キャラクターパス』で配信される4名のキャラクターもワールドツアーモードに登場する予定とされています。

彼女らに弟子入りして話を聞くことができるのは非常に嬉しいのですが、彼女らがワールドツアーモードのストーリーに深く関わることはありませんでした。

彼女らがレジェンドすぎて、我々一般のアバターたちとは比べ物にならないからなんでしょうかね。
ただでさえボシュに脅かされている主人公の座が、レジェンドファイターの関与で簡単に奪われかねないとは思います。

これは完全に私の楽しみ方の柔軟さが足りないのが原因なので、ゲームの不出来を指摘するものではありません。
個人の理想を言うだけなら簡単ですからね。

終盤の展開

直接内容に言及しませんが、「ストリートファイターシリーズ初となる1人用ストーリーモードです!ぜひ遊んでみてね!」と紹介されたものにしては、かなり尖った内容でした。

良いとか悪いとかではなく、尖ってる。

気になった方はプレイしてみてください……

『遊びが主、ストーリーが従』という話

遊びが主、ストーリーが従

なんやかんやと申しましたが。
結局これに尽きると思っておりますよ。

ゲームは遊びの部分が最優先であるべきだと、私は考えてます。
そして本作のワールドツアーモードもそうであったと思います。

私もゲームのストーリーを楽しみだしたのは最近のことですし、プレイヤーの割合的には遊びの部分を主に楽しむ方の方が多いと思います。

なのでどちらかと言うと、遊びよりストーリーの不満の割合の方が多いというのは健全なことなのかもしれませんね…?
きちんと遊びが優先されているということなので。

もちろんどちらも満足できるならそれが最善ではありますが。
そのような作品がすごいのであり、そうでないゲームがダメというわけではないでしょう。

本作はレジェンドファイターたちに弟子入りできる上に話まで聞けるので、ゲーム性以外をないがしろにしているどころか、むしろゲーム性以外の楽しみが豊富なゲームであると思ってます。

なによりストリートファイターで1人用ストーリーモードが遊べたこと、そしてレジェンドファイターたちの人柄をよく知れたこと、彼女らを『当たり判定』ではなく『師匠』として認識できたことに価値があると思っています。

終わりに

お疲れさまでした。
対戦ゲームが苦手な私にとって、1人で遊べるワールドツアーモードは非常に価値のある体験だったと感じています。

そして驚くべきことですがこのゲーム、師匠たちを操作して遊べるモードがあるみたいです。
ファイティンググラウンドモードのアーケードでは、我々に技を教えてくれている師匠たちに何が起こっていたのかを知ることが出来ます。

一部のプレイヤーはコンピューターだけでなくプレイヤー同士で対戦することもあるらしく、しかもそれが楽しいらしいです。
バトルハブでは育てたアバター同士で対戦できるという噂も…

というわけでストリートファイター6、ワールドツアーモードだけで既に楽しかったので皆さんぜひやってみてください。
リーフェンかわいいので。

1人用モードに飽きたらご友人とバトルハブで雑談しながら対戦してお楽しみください。

相手が居なければ私、研究くんがお相手します。
JP師匠の↓↓+Pコマンドをミスって屈伸あおりをしているように見えますが、誤解です。助けてください。

と言ったところで今回はここまで。
ご覧いただきありがとうございます。

愛をこめて。

端役より。

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