『The Entropy Centre』の感想
お疲れ様です。
先日、『The Entropy Centre』をクリアしました。
ありていに言って、面白かった。
誰の評判もオススメもレビューも紹介も見ず、直感を頼りに本作を購入したので面白いゲームを見つけられたの喜びを含めて本当に楽しい体験ができました。
今回はそんな『The Entropy Centre』の感想を述べてゆきます。
物語の結末に直接言及することはありませんが、自分で知った方が面白い要素についての多少のネタバレを含む可能性がありますので、未プレイの方はご注意ください。
それでは参ります。
時間逆行パズルが楽しい
本作は物体の時間を止めたり逆行させる能力を駆使してパズルを解いていくゲームでして、
当然ながら物体の時間を『巻き戻す』能力でパズルを解くのが楽しかったです。
[ところで今って『巻き戻す』という表現が伝わらないことあるらしいですね、何を巻くの?って具合に{でも本作では『巻き戻す』とテキストにありました(ご参考までに)}]
本作にはパズルのギミックとして、Portalによく似た『キューブ』や『感圧板』、そして通過するとキューブや巻き戻しの記録を消してしまう『ゲート』などがありました。
Portal好きの私には親しみやすくて良かったです。
本作のパズルを解くには、プレイヤーがゴールする瞬間にキューブなどのギミックがどこにあるべきかということから逆算して物体を動かしていく必要があり、これがちょうどいい難しさだったんですよね。
慣れたら意外とサクサクとクリア出来て気持ちがいいし、徐々にパズルが難しくなるにつれてそれを解けた時の達成感もまた大きくなっていくので、『きもT』(気持ちいいの意。きもいTシャツではない。)。
それぞれのパズルのクリアタイムは早くて約1分、ちょい難しくて10分、最も難しい(と思われる)ものでも20分以内でしたので、パズルに慣れていない人や高難度パズルはちょっとハードルが高いのだ…という方も安心して楽しめる難度でした。
あと驚くべきは様々な個性を持つキューブや環境を利用するギミックの豊富さです。
本当に最後の方まで新たなギミックの追加がコンスタントに行われて、飽きることなくパズルと向き合い続けることが可能でした。
Portalを思わせる要素の数々
本作をプレイする中で、度々『Portal』を思わせる瞬間がありました。
例えば先ほども申し上げた『キューブ』、『感圧板』、『ゲート』などのギミックであったり、パズルを解く部屋(Portalではテストチェンバー)を順番に通過していく作りや、パズルと次のパズルの間にストーリーが進展したりちょっとしたアクションパートが口直しに挿入される構成もそっくりでした。
ついでに本作の舞台である風化した施設や、パズルのアシスタントをしてくれてるAIとの会話は『Portal2』を思い出させました。
で、これについて私がどう思ったかというと、自分でも驚くほど好意的に受け入れたんですよね。
私は普段『ソウルライク』に対して不満顔をしているというのに。
完全にダブスタもいいとこなんですが、本作を『Portal』のパクリwと蔑むことなく、むしろメロメロになって白目をむいてヨダレを垂らしながら遊んでしまいました。
とにかく作中の様々な部分から『Portal』のバイブスを感じて、私はそれを嬉しく思ったという話でした。
登場人物(?)がかわいい
本作はストーリーの事情で主人公以外の登場人物は全員ロボットかAIなのですが、それらがビックリするぐらいかわいかったのでした。
私にとってはパズルより、むしろこっちがメインだった可能性すらあります。
アシスタントAIのアストラがかわいい
時間を戻す道具に搭載されたパズルアシスタントAIのアストラがゲームの進行度に比例してかわいさを増していくので、プレイ中どんどん血が沸騰していくのを感じていました。
いうて最初はアストラと主人公との関係もどうなるか分からず、彼女らのやり取りを受け入れられるか不安だったんですが、完全に良かったです。
パズルの部屋に入った時やそれを解き終わった時、ストーリーとアクションパートなど、パズル中以外のほとんどの時間を彼女(?)と会話しながら過ごすため、本当にアストラにパズルを解くモチベを維持してもらってクリアできた節はあります。大いに。
アクションパートのある部分で、アストラに贈り物を出来る小ネタがあるのですが、私はそこでアストラに対する好感度が限界を超えてしまいました。
なんてことないやり取りなんですけどね、良かったら皆さまも探してみてください。
『E』がかわいい
エントロピーボットの『E』は、初対面から恐ろしいぐらいかわいい、むしろ『あざとい』ぐらいの愛嬌を放っていて、やすやすと愛してしまいました。
ころころとしたフォルム、記号っぽいのにかわいい顔、言葉ではないのになぜか気持ちが伝わる声(または音)、アンテナを使って器用に身振り手振りをする振る舞い。
あなたがボディビル選手権の舞台に立ったら、『人に愛されるために生まれたのかい』と叫んでいるところですよ、ワガハイ。
あれは、『やってる』ね。自分がかわいいのを『理解』ってる。
敵すらかわいい
アクションパートで(やむを得ず)こちらを攻撃してくるエントロピーボットたちですが、彼らもしっかりかわいいのでした。
こちらに対してエネルギー弾を撃ってきたり、高圧のスタンバトンを掲げて追いかけてきたりして、下手をこくとゲームオーバーになってしまう、ゲームとしては正式な敵なんです。
ですが、彼ら彼女らの見た目がかわいいおかげで、襲われようが追われようがゲームオーバーになろうが不快感が驚くほど少なくて済みました。
正直本作、プレイヤーの体力がちょっと低いのでアクションパートで倒されやすくて多少ストレスを感じる可能性はあったので、本当に敵の見た目がかわいくて良かった。
これが普通に気持ち悪いバケモノが敵として採用されていたら、ちゃんと腹立ってたかもしれませんからね。
という具合で、私はアシスタントのアストラのおかげでパズルを解き続けることができ、『E』に会うたびに歯茎をむき出しにして喜び、敵がかわいくてストレスなく遊べました。
普段はこういったキャラクターはゲームを引き立てる、主従関係でいえば『従』にあたる存在であると考えているのですが、キャラクターのおかげでここまでゲームクリアに対する推進力を得られたと考えると、キャラクターは単なる引き立て役にとどまらない可能性がありますね。
たとえ私が度を越したキャラ萌え奇爺(きじい)だったとしても……
高い没入感を得られた
初見のゲームをプレイし始める時って、なんというかゲームに入り込んでなくて『モニターを見てる』っていう感覚がありませんか?
なんとな~く集中しきれない感じ。
本作はそんな『集中できていなさ』みたいなのを感じる時間がかなり短く、結構序盤からモニターを見ていることを忘れて世界に入り込んでいたみたいです。
自分が集中している最中にそれを自覚するのは難しいのですが、ゲームを終える直前にハッと今までゲームに入り込んでいた自分に気が付いて判明しました。
本作はストーリーの事情で地球の崩壊が進行し続けており、その影響で地球の爆発の衝撃波が月にあるエントロピーセンターまで伝わる演出があるのですが、高い没入感のおかげでそれがめちゃくちゃ恐ろしかったのです。
特に音。衝撃が来ることを予期させる不気味なうなり声のような音と、衝撃を受けて自分のいる建物が揺れたり軋んだり崩れたりする音が本当に臨場感にあふれており、自分が実際にそこにいるかのように怯えてしまいました。
ホラーゲームでもないのに身の危険を感じるレベルの臨場感と恐怖を得られたことは貴重な体験でした。
ストーリーも悪くなし
ちゃんとストーリーに引き込まれたので楽しかったです。
ただ、DLCとかで別のエンディングとかあれば助かります。
おわりに
こんにちは、幼児退行です。
いわゆる子供部屋こどもおじさんです。
時間が逆行したので挨拶が最後に来てしまいましたね!
ハハッ!w
まさかパズルゲームの感想がキャラ萌えと命の危機になるとは、プレイする前は考えもしませんでした。
ま~~じで楽しかった。
クリア後感想を一通りメモした後にSteamのレビューを覗いたのですが、しっかり冷静なレビューをなさってる方がいて感心しました。
言われてみれば確かにそうだ、と思えるような不満点も挙げられており必要とあらば私もそのように冷静なレビューを書けるようになりたいものです。
本作は『キャラ萌え』と『のめり込み』の奇人である私の性質と非常に相性の良い作品でしたね。
本当にありがとうございます。
ところで本作パズルのクオリティはもちろん、ストーリーやキャラクター、構成、ビジュアル、サウンドに至るまでかなり高品質だと感じたのですが、これインディーゲームなんですか?
開発元である『Stubby Games』はSteamで調べる限りは本作しかリリースしていないようですが……
皆さまがご存じの『隠れた名作』がございましたら、コメント欄でお聞かせいただきたいです。
といったところで今回はここまで。
ご覧いただきありがとうございます。
愛をこめて。
AIのヒモより。
『Twitter』のこと『X』っていうのまだ照れるね。
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